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組織コーチングを学べるスクール4選!費用・期間・資格を比較

チームの関係性に働きかける手法を、自分でも使えるようになりたい。外部に頼り続けるのではなく、社内に知見を残したい。そう考えてスクールを探し始めた方は多いのではないでしょうか。

ところが、いざ検索してみると出てくるのはスクール自身の公式サイトばかりで、横並びに比べた情報が見つかりません。しかも大半は個人向けのコーチングスクールで、チームや組織を対象にした講座とは中身が別物です。

本記事では、組織やチームを対象とした講座を実際に開いている4つのスクールを取り上げ、受講料・期間・取得できる資格を比較します。掲載した金額はすべて各校の公式サイトで確認した2026年7月時点の情報です。選び方の基準と、受講前に知っておきたい注意点もあわせて解説します。

目次

組織コーチングのスクールとはどんな場所か

まず押さえておきたいのが、コーチングスクールと名のつく講座の大半は個人向けだという事実です。ここを取り違えると、半年学んだ結果として学びたかったものと違ったという事態になりかねません。

ここでは、組織を対象とした講座がどういう位置づけにあるのか、何を学ぶのか、どんな目的で通う人がいるのかを整理します。

個人向けコーチングスクールとの違い

両者の違いは、扱う相手の数ではありません。1対1の対話を何人に向けてやるかという話ではなく、そもそも働きかける相手が違うと考えてください。

個人向けの講座で学ぶのは、目の前のひとりの目標や考えを引き出す技術です。傾聴、質問、承認といったスキルが中心になります。

対して組織を扱う講座では、複数の人が同席する場で何が起きているかを読み取り、そこに働きかける技術を学びます。誰と誰のあいだに緊張があるのか、なぜこのチームでは特定の意見だけが通るのか。個人ではなく、人と人のあいだにあるものが対象です。

比較軸 個人向けスクール 組織を扱うスクール
学ぶ技術 傾聴・質問・承認 場の観察・対立の扱い・関係性への介入
練習の形式 受講生同士で1対1 グループでの実践ワーク
費用の目安 数十万円台 数十万円〜100万円超
主な受講層 プロコーチを目指す個人 人事・組織開発担当、経験のあるコーチ

費用に差が出るのは、実践ワークに複数の受講生とトレーナーが必要になるためです。対面での集中ワークショップを組み込む講座が多いことも、金額が上がる理由になっています。

スクールで実際に学べる内容

講座によって呼び方は違いますが、扱うテーマには共通する骨格があります。中心にあるのは、チームの中で表に出ていないものを、扱える形にする技術です。

  • 複数人の場で何が起きているかを読み取る観察力
  • 対立や葛藤を避けずに扱う進め方
  • 発言していない人の声を場に引き出す方法
  • チームが自分たちで合意にたどり着く道筋のつくり方
  • コーチ自身が場に飲み込まれないための在り方

最後の項目は見落とされがちですが、実務では決定的です。緊張感のある会議に入れば、コーチも当然その空気の影響を受けます。

そこで動揺せず、場に流されずにいられるかどうか。多くの講座が対面の集中ワークショップにこだわるのは、この感覚が実際に人が集まった場でしか身につかないためです。

もうひとつ多くの講座に共通するのが、組織をひとつのつながったまとまりとして捉える見方です。誰かひとりの問題に見える出来事も、周囲との関係の中で生まれていると考えます。問題児とされている人が、実はチームの言えない本音を代弁しているといった読み解き方を学びます。

受講する目的は大きく2つに分かれる

受講する人の目的は、おおむね2つに分かれます。自分がどちらなのかをはっきりさせておくと、講座選びが一気に絞り込めます。

ひとつは、自社の中で使うために学ぶパターンです。人事や組織開発の担当者、事業責任者が該当します。外部に依頼し続けるコストを抑えたい、社内に知見を残したいという動機が中心になります。

もうひとつは、コーチとして仕事にするために学ぶパターンです。すでに個人向けコーチングで活動していて、法人案件に領域を広げたいという方が多く見られます。

目的別のおすすめの選び方
  • 社内で使いたい → 短期間・オンライン中心の講座から試す
  • 仕事にしたい → 国際的な認定資格に対応した講座を選ぶ
  • まず知りたい → 基礎コース単体で受けられる講座を選ぶ

社内で使うのが目的なら、必ずしも認定資格まで取る必要はありません。目的が違えば、かけるべき金額と期間も変わります

スクール選びで確認したい4つのポイント

各校の公式サイトを見比べても、書いてある言葉が違いすぎて比較しづらいと感じるはずです。そこで、どの講座にも共通して当てはめられる4つの軸を用意しました。

この順番で確認していけば、候補は2つか3つまで絞れます。逆に、この4点があいまいなまま申し込むと、後から後悔しやすくなります。とくに最初の軸で選び違えると、内容そのものが目的と噛み合いません。

学べる対象がチームか組織全体か

同じように見える講座でも、狙っている射程がまるで違います。ここを見誤ると、学んだ技術が使いたい場面で使えません。

チームコーチングを掲げる講座は、ひとつのチームの中で起きていることを扱います。目標達成に向けた合意形成や、メンバー間の関係改善が主なテーマです。

一方、組織開発を掲げる講座はもう一段広い範囲を見ます。部門間の対立、経営と現場の分断、組織文化そのものといった、チーム単位では解けない問題が対象になります。

判断に迷うときは、直近で困った場面を思い出してみてください。ひとつの会議の中で完結する話なら前者、別部署に話を持っていった時点でこじれるなら後者が合っています。

自社の課題がひとつの部署の中にあるのか、部門をまたいでいるのか。解きたい問題がどこにあるかで、選ぶべき講座は変わります。組織コーチングとは何かという全体像から整理したい方は、組織コーチングの基本を解説した記事もあわせてご覧ください。

国際的な認定資格に対応しているか

コーチとして仕事にしたいなら、この軸は外せません。コーチングの世界で最も広く認知されているのが、国際コーチング連盟という国際団体の認定です。

このうちチームコーチングに特化した資格が用意されており、取得するには決められた時間数の教育と、経験者による指導を受ける必要があります。講座がその認定プログラムになっていれば、修了がそのまま申請要件を満たします。

逆に、認定を受けていない講座で学んだ場合、内容がどれだけ優れていても資格申請の時間数には算入されません。あとから別の講座を受け直すことになれば、費用も時間も二重にかかります。

ただし、社内で使うのが目的なら話は変わります。認定の有無より、自社の課題に合っているかを優先してかまいません。資格の種類そのものを詳しく知りたい方は、組織コーチングに役立つ資格を比較した記事で整理しています。

総額と期間が現実的な範囲か

この分野の講座で気をつけたいのが、基礎コースの受講料だけを見て判断してしまうことです。多くの講座は段階制になっており、基礎だけでは実務で使える水準に届きません。

基礎コースは10万円台から20万円台に収まることが多い一方、応用まで進むと総額は70万円を超えます。認定資格まで取得する道のりでは、100万円を超える講座もあります。

期間も同様です。基礎だけなら数日で終わりますが、認定取得までは半年から1年以上かかると考えておいてください。

あわせて確認したいのが、次の段階がいつ開講されるかです。応用コースが年に1回しか開かれない講座もあり、その場合は基礎を終えてから半年以上待つことになります。学びが途切れると、せっかくの感覚は鈍ります

申し込む前に、どこまで進むつもりなのかを決めて総額を出すようにしましょう。段階ごとに判断したい場合は、基礎コースを単体で受けられる講座を選ぶのが安全です。

受講形式と実践の機会があるか

形式は、オンライン中心の講座と、対面の集中ワークショップを軸にした講座に分かれます。どちらが優れているというより、学べるものが違うと捉えてください。

オンライン中心の講座は、移動の負担がなく、遠方に住んでいても受けられます。理論やフレームワークを体系立てて学ぶには十分です。

対面のワークショップでは、同じ空間に人が集まったときにしか起きないことを扱えます。緊張、沈黙、視線の動きといった要素は、画面越しでは再現しきれません。

あわせて確認したいのが、修了後に実践する場があるかどうかです。継続学習の場や卒業生のコミュニティが用意されている講座なら、学びっぱなしで終わるリスクを減らせます。

具体的には、修了生同士で練習会を開いている、上級者による指導の機会が用意されている、といった仕組みがあるかを見てください。この分野は独学で腕を維持するのが難しいため、続けられる場の有無は費用と同じくらい重要な判断材料になります。

組織コーチングを学べるスクール4選

ここからは、チームや組織を対象とした講座を実際に開いている4校を紹介します。受講料はすべて各校の公式サイトで確認した2026年7月時点の金額で、推測は含めていません。

紹介の順番は優劣ではなく、扱う射程の広さで並べています。金額や日程は変更される場合があるため、申し込み前には必ず公式サイトでご確認ください。

CRR Global Japan システムコーチング

関係性そのものに働きかけるシステムコーチングを掲げる機関です。世界20か国以上でコースを展開するCRR Globalのパートナーとして、日本国内でプログラムを提供しています。

特徴は、コース体系がはっきり段階化されている点です。2日間の基礎コースから始められるため、いきなり大きな金額を投じずに相性を確かめられます。

コース 日数 受講料(税込)
基礎コース 2日間 110,000円
応用シリーズ 3日間×4コース 各198,000円(計792,000円)
プロフェッショナル実践コース 9か月間 1,265,000円
アルケミーコース 3日間 250,000円

資格面では、独自の認定資格に加えて、国際コーチング連盟のレベル2トレーニングとチームコーチング上級認定の両方に対応しています。プロのコーチとして法人案件を扱いたい方には、最も体系が整った選択肢のひとつです。

一方で、認定まで進む場合の総額は200万円を超えます。まずは基礎コースだけ受けて判断するという進め方をおすすめします。(参考:CRR Global Japan「受講料一覧」

組織開発コーチ協会 GTC・ODP

チームコーチングと組織開発の2系統を用意している団体です。目的に応じて入り口を選び分けられる点が、他校にはない強みになっています。

チームコーチングを学ぶ講座は、国際コーチング連盟のチームコーチング上級認定プログラムとして認められています。応用の最終段階まで修了すると、チームコーチング教育60時間以上と指導5時間以上という申請要件を満たします。

講座 構成 受講料
チームコーチング基礎 2日間対面+オンライン 154,000円
チームコーチング応用a・b 各2日間対面+オンライン 各198,000円
チームコーチング応用c 3日間対面+オンライン 242,000円
4コース一括申込 712,800円(10%割引)
組織開発プロフェッショナル講座 全9回・各2.5時間・オンライン 275,000円(税込)

注目したいのは、組織開発を扱う講座がオンライン完結で275,000円という点です。人事・組織開発の担当者が業務と並行して学ぶには、現実的な負担に収まっています。事業責任者やマネジャーも対象に含まれており、社内実践を前提とした内容になっています。(参考:組織開発コーチ協会「ジェネレーティブ・チームコーチング講座」

東京コーチング協会 組織コーチングコース

コーチの職能団体が運営する講座です。全60時間という時間数が明示されており、学習量を把握しやすいのが特徴になっています。

掲げているのは、組織コーチングに求められる基準の理解と、チームビルディングに関わる能力の獲得です。あわせてプレゼンスと呼ばれる、コーチ自身の在り方も扱います。

総時間 全60時間
受講料(一般) 594,000円(税込)
受講料(協会会員) 534,600円(税込・10%割引)
入会金 11,000円(一般の場合に別途必要)
資格 継続教育単位60時間が発行される

対象として挙げられているのは、チームで成果を上げたい方、ファシリテーター、研修講師、活動領域を広げたいコーチなどです。研修講師として活動している方が、組織への関わり方を広げる目的で選ぶケースにも向いています。

会員になると10%割引が適用され、入会金を払っても差額が出ます。申し込む前に会員制度の条件を確認しておくとよいでしょう。(参考:一般社団法人東京コーチング協会「組織コーチングコース無料説明会」

ミズカラ 組織コーチ養成講座

自走する組織づくりを掲げる講座です。認知科学を土台にしたアプローチを特徴として打ち出しています。

カリキュラムでは、自立自走型の組織をつくる力、戦略に沿ったコーチング、組織文化への働きかけ、進捗管理と問題解決、個々のパフォーマンス向上といった領域を扱います。組織運営の実務に近い構成だと言えます。

他校が関係性や対話の質に重心を置くのに対し、こちらは売上や目標達成といった事業成果に直結させる立て付けが前面に出ています。経営に近い立場で成果を問われている方には、言葉が届きやすい構成でしょう。

受講前に確認したい2点

この講座は同社のキャリアコーチ養成講座を修了した方が対象で、いきなり申し込むことはできません。講座ページに受講料の記載はありませんが、特定商取引法に基づく表記には関連する養成講座の金額が示されています。同時申込で44万円、後から申し込む場合は55万円という水準です。前段の講座と合わせた総額を把握してから判断してください。

前段の講座から積み上げる形になるため、検討する際は2つの講座を合わせた費用と期間で考える必要があります。まず自社に合うかを確かめたい段階であれば、単体で受けられる他校の基礎コースから試すほうが判断しやすいでしょう。

受講料と期間を横並びで比較

ここまで紹介した各校を、同じ軸で並べ直します。公式サイトの表記がそれぞれ違うため、比べられる形に整理しました

金額は改定される可能性があるため、最終判断の前には必ず公式サイトを確認してください。あわせて、会社の予算や助成金を使う道筋についても触れます。

入り口の費用と総額の一覧

最初に払う金額と、進んだ場合の総額は大きく開きます。入り口が安くても、その先で積み上がる講座があります

スクール 入り口の費用 進んだ場合の目安
CRR Global Japan 110,000円(2日間) 応用まで約90万円/実践コースは1,265,000円
組織開発コーチ協会(チームコーチング) 154,000円(2日間+オンライン) 4コース一括で712,800円
組織開発コーチ協会(組織開発) 275,000円(全9回・完結) 追加なし
東京コーチング協会 594,000円(全60時間・完結) 入会金11,000円が別途
ミズカラ 講座ページには記載なし 特商法表記では組織開発コース44〜55万円。前段の講座費用も必要

比較すると、少額から試せるのはCRR Global Japanと組織開発コーチ協会のチームコーチング講座です。はじめから総額が確定しているのは、組織開発プロフェッショナル講座と東京コーチング協会の2つになります。

予算を先に決めて動く場合は、後者のように完結型の講座のほうが社内で承認を得やすくなります。段階制の講座は、追加の受講が必要になるたびに稟議を出し直すことになりかねません。組織の予算サイクルと講座の進み方が合うかも、見落とせない判断材料です。

期間と受講形式の違い

費用と並んで見落とせないのが、確保しなければならない時間です。対面のワークショップは平日を含む日程になることもあり、業務との調整が必要になります。

スクール 形式 期間の目安
CRR Global Japan 対面中心 基礎2日/実践コースは9か月
組織開発コーチ協会(チームコーチング) 対面+オンライン併用 各コース2〜3日+前後のセッション
組織開発コーチ協会(組織開発) オンライン完結 全9回・各2.5時間
東京コーチング協会 公式サイトに要問い合わせ 全60時間

働きながら学ぶことを前提にするなら、オンライン完結の講座が最も無理がありません。逆に、場に入ったときの感覚を鍛えたいなら対面の比重が高い講座を選ぶべきでしょう。

対面日程は土日に組まれることが多いものの、平日を含む設定もあります。数か月先まで特定の日を空け続けられるかを、申し込み前にカレンダーで確認しておいてください。日程が合わずに欠席すると、補講の扱いは講座ごとに異なります。

会社の予算や助成金を使う方法

数十万円という金額を個人で負担するのは、簡単ではありません。社内で使うために学ぶのであれば、会社の教育研修費として申請する道を先に検討してください。外部に依頼した場合との比較は、組織コーチングの費用相場を解説した記事で整理しています。

その際、単に学びたいと伝えるだけでは通りにくくなります。どの課題を解くために学ぶのか、修了後に社内で何をするのかまで書いて提案すると、承認は得やすくなります。

あわせて確認したいのが、国の助成制度です。厚生労働省は、企業が従業員に職業訓練を実施した場合に経費の一部を助成する人材開発支援助成金という制度を設けています。(参考:厚生労働省「人材開発支援助成金」

助成金を検討する場合の注意

助成金は対象となる訓練の要件や申請手続きが細かく定められており、すべての講座が対象になるわけではありません。制度の内容も年度によって変わります。利用を検討する場合は、必ず最新の要件を厚生労働省や労働局の窓口でご確認ください。

受講前に知っておきたい3つの注意点

まとまった金額と時間を投じる以上、受講してから気づくのでは遅い点があります。ここでは事前に押さえておきたい3つを挙げます。

いずれも、講座の質が低いという話ではありません。学ぶ側の準備で結果が大きく変わるという性質のものです。

資格を取れば仕事が来るわけではない

コーチとして独立したい方が最も誤解しやすいところです。認定資格は実力の証明にはなっても、仕事を運んでくる仕組みではありません

とくに法人向けの案件は、企業側が慎重に相手を選びます。組織の内側に入る仕事である以上、信頼できると判断されなければ声はかかりません。

実際に依頼につながる経路は、過去に一緒に働いた人からの紹介や、講座で出会った仲間からの声かけが中心です。資格そのものより、そこで築いた関係が仕事を運んできます。

企業が外部のコーチを選ぶとき、見られるのは資格の有無より、自社と近い状況を扱った経験があるかどうかです。製造業の現場を知っているか、急成長中の組織を見たことがあるか。実績のほうが資格より強く効くのがこの領域の特徴になります。

講座を選ぶときは、修了後のつながりが残る仕組みがあるかどうかも見ておいてください。卒業生のコミュニティや継続学習の場は、学び以上の価値を持つことがあります。

学んだだけでは組織は変わらない

社内実践を目的とする方に向けた注意です。講座で身につけた技術を職場に持ち帰っても、それだけで会議の空気が変わることはまずありません

理由は単純で、周囲の人たちは何も学んでいないからです。ひとりだけ問いかけ方を変えても、相手の受け取り方はこれまでどおりになります。

成果が出ている例に共通しているのは、経営層や管理職を巻き込んでから始めている点です。上の層が趣旨を理解していれば、現場で新しい進め方を試したときに支えてもらえます。

受講する前に、社内で誰を味方につけるかを考えておきましょう。学ぶ順番より、戻ってから使える環境をつくる順番のほうが大切な場合もあります。

現実的な進め方としては、直属の上司にだけでも先に趣旨を伝えておくことです。会議の進め方を変えたときに、何をやっているのかと問われる場面は必ず訪れます。そこで擁護してくれる人がひとりいるかどうかで、続けられるかが決まります。

実践する場を先に確保しておく

3つ目は、練習相手の問題です。この分野の技術は、複数人が集まる場がなければ練習そのものができません。個人向けコーチングとの決定的な違いがここにあります。

講座の中では受講生同士で実践しますが、修了後に自分で場を持てなければ、身につけたものはすぐに鈍ります。数か月使わないだけで、感覚は驚くほど戻ってしまいます。

社内であれば、自分が進行役を務める定例会議を練習の場にできます。独立して活動する方なら、無償でもよいので実践の機会を先に確保しておくのが賢明です。

身近なところでは、部署内の振り返り会や、プロジェクトの立ち上げミーティングが練習の場になります。わざわざ新しい会議を作る必要はなく、今ある場の進め方を変えるだけで十分です。

申し込む前に、修了後に誰に対して使うのかを具体的に思い浮かべてみてください。ここが浮かばないうちは、まだ受講のタイミングではないのかもしれません。

組織コーチングのスクールでよくある質問

最後に、スクール選びでよく寄せられる質問をまとめました。申し込みを迷う段階で確認されることが多い内容を中心に取り上げています。

費用と受講形式に関する疑問が、とくに多く挙がります。どちらも申し込んでからでは変更がきかない部分なので、先に解消しておきましょう。

なお各校の制度は改定される場合があるため、具体的な条件は必ず公式サイトでご確認ください。ここでお伝えするのは共通して当てはまる考え方です。

組織コーチングのスクールはいくらかかりますか

入り口となる基礎コースは11万円から28万円程度が目安です。応用まで進むと総額70万円前後、国際的な認定資格の取得まで目指す場合は100万円を超える講座もあります。一方、組織開発を扱うオンライン講座のように、27万5,000円で完結する選択肢もあります。段階制の講座は基礎の金額だけが目に入りやすいので、どこまで進むかを決めてから総額を出すことをおすすめします。会社の教育研修費で申請できるかどうかも、早い段階で確認しておくと選択肢が広がります。

オンラインだけで学べますか

講座によります。オンラインで完結する講座もありますが、対面の集中ワークショップを必須にしている講座も多いのが実情です。複数人が同じ空間にいるときにしか起きない緊張や沈黙を扱う技術は、対面でこそ身につきやすいためです。対面日程は土日中心のこともあれば平日を含むこともあり、遠方の方は交通費と宿泊費も見込んでおく必要があります。働きながら学ぶ方は、数か月先の日程まで確認してから申し込んでください。

コーチング未経験でも受講できますか

基礎コースから始められる講座であれば、未経験でも受講できます。ただし一部の講座は前段の養成講座の修了を条件にしているため、事前確認が必要です。個人向けコーチングの経験があると理解は早くなりますが、必須ではありません。むしろ人事や組織開発の実務経験があるほうが、扱う題材を自分の現場に引きつけて考えられます。社内での活用が目的なら、まず基礎コースを単体で受けて相性を確かめる進め方が向いています。

資格とスクールはどう違いますか

資格は学んだ成果を証明するもの、スクールはそれを学ぶ場所です。多くの認定資格は、認定を受けた講座を修了することが申請の前提になっています。つまりスクール選びが、そのまま資格選びを兼ねる形になります。逆に言えば、認定を受けていない講座をいくら受けても申請の時間数には積み上がりません。どんな資格があるかを先に知りたい方は、資格の種類を比較した記事から読むと全体像がつかみやすくなります。

組織コーチングのスクール選びまとめ

組織を対象とした講座は、個人向けのコーチングスクールとは学ぶ内容も費用感も別物です。入り口となる基礎コースは11万円台から、認定資格まで目指せば100万円を超える場合もあります。

選ぶときは、学べる射程・国際的な認定への対応・総額と期間・受講形式の4点を順に確認してください。社内で使うのが目的なら認定資格は必須ではなく、オンライン完結の講座で十分な場合もあります。

申し込む前の最終チェック
  • 解きたい課題がひとつの部署の中か、部門をまたいでいるか整理できているか
  • どの段階まで進むかを決めて、総額を計算したか
  • 対面日程を業務と調整できるか確認したか
  • 修了後に誰に対して使うのか、具体的に思い浮かぶか

まとまった投資になるからこそ、迷って当然です。それでも、多くの講座には基礎コースや無料説明会という入り口が用意されています。まずはそこから場の空気に触れてみると、自分に合うかどうかは驚くほどはっきりします。

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